みんしゅうげいじゅつのせいしん
民衆芸術の精神

冒頭文

ミレーの絵を見た人は、心ある者であったならば、誰しも涙ぐましさを感ずるであろう。ミレーは貧しい人間の生活をほんとうに見ているように思われます。貧しいといって、それは、田舎の百姓の生活であり、また、無産者である多数民衆の生活であります。 邪念なく労働に服する人、無心に地の上で遊んでいる子供、そして、其処に生きているには変りのない、人間も、小羊も、また鶏に至るまで、同じ霊魂を持つことによって

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 芸術は生動す
  • 国文社
  • 1982(昭和57)年3月30日