いかなる主義と雖も現実から出発していないものはない。現実を有りのまゝの静止したもの、固定したものと見做すのが間違っている。現実はどうともすることの出来ない客観的の実在であると同時に、また極めて主観的な実在である。我々が懐(だ)く凡(あら)ゆる感情、例えば怒り、憎しみ、または愛にもせよ、凡(すべ)ての感激、冒険といったようなものは、人生及び自然から生起してくる刺戟である。この人生及び自然の存在を措い