とらわれたるげんぶんだん
囚われたる現文壇

冒頭文

いかなる主義と雖も現実から出発していないものはない。現実を有りのまゝの静止したもの、固定したものと見做すのが間違っている。現実はどうともすることの出来ない客観的の実在であると同時に、また極めて主観的な実在である。我々が懐(だ)く凡(あら)ゆる感情、例えば怒り、憎しみ、または愛にもせよ、凡(すべ)ての感激、冒険といったようなものは、人生及び自然から生起してくる刺戟である。この人生及び自然の存在を措い

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 芸術は生動す
  • 国文社
  • 1982(昭和57)年3月30日