うごくえとあたらしきむげん
動く絵と新しき夢幻

冒頭文

時間的に人事の変遷とか、或(あるい)は事件の推移を書かないで、自分の官能を刺戟したものを気持で取扱って、色彩的に描写すると云うことは新らしき文芸の試みである。 だから、それは時間的と云うよりは寧(むし)ろ空間的に書くことになる。元来これは絵画の領域に属するもので、絵画の上ではあらゆる物象だの、影だのを色彩で以て平(ひらっ)たい板の上に塗るので、時間的に事件を語っているものではない。併(し

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 芸術は生動す
  • 国文社
  • 1982(昭和57)年3月30日