あるしょうねんのしょうがつのにっき
ある少年の正月の日記

冒頭文

一月(がつ)一日(ついたち) 学校(がっこう)から帰(かえ)ると、お父(とう)さんが、「今年(ことし)から、おまえが、年始(ねんし)におまわりなさい。」といって、お父(とう)さんの名刺(めいし)を四枚(まい)お渡(わた)しなさった。そうだ、僕(ぼく)は、十二になったのだ。十二になると、お父(とう)さんのお代(か)わりをするのか、知(し)らないけれど、急(きゅう)に、自分(じぶん)でも大人(おと

文字遣い

新字新仮名

初出

「朝日新聞」1932(昭和7)年1月3日

底本

  • 定本小川未明童話全集 8
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年6月10日