チューリップのめ
チューリップの芽

冒頭文

チューリップは、土(つち)の中(なか)で、お母(かあ)さんから、世(よ)の中(なか)に出(で)てからの、いろいろのおもしろい話(はなし)をきいて、早(はや)く芽(め)を出(だ)したいものと思(おも)っていました。 「ちょうちょうは、どんなに、美(うつく)しいの?」と、お母(かあ)さんにたずねたりしました。「そんなに、いそいではいけません。いい時分(じぶん)になったら、お母(かあ)さんがいってあげ

文字遣い

新字新仮名

初出

「子供之友」1924(大正13)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日