こいのぼりとにわとり
こいのぼりと鶏

冒頭文

泉水(せんすい)の中(なか)に、こいと金魚(きんぎょ)が、たのしそうに泳(およ)いでいました。しかし、黒(くろ)いねこが、よくねらっていますので、ゆだんができませんでした。いつ、つかまえられて、食(た)べられてしまうかしれないからです。 「私(わたくし)が、見張(みは)りをしてあげましょう。」と、毎日(まいにち)、泉水(せんすい)のほとりで遊(あそ)んでいる鶏(にわとり)がいいました。鶏(にわと

文字遣い

新字新仮名

初出

「コドモアサヒ」1924(大正13)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日