古事記 上(かみ)つ卷 序并はせたり 序文 ()過去の時代 一 臣(やつこ)安萬侶(やすまろ) (二)言(まを)さく、それ混元既に凝りしかども、氣象いまだ敦(あつ)からざりしとき、名も無く爲(わざ)も無く、誰かその形を知らむ (三)。然(しか)ありて乾と坤と初めて分れて、參神造化の首(はじめ)と作(な)り (四)、陰と陽とここに開けて、二靈群品の祖となりたまひき (五)。所以