ペスときょうだい
ペスときょうだい

冒頭文

風(かぜ)の吹(ふ)くたびに、ひからびた落(お)ち葉(ば)が、さらさらと音(おと)をたて、あたりをとびまわりました。空(そら)はくもって、木(き)の枝(えだ)がかなしそうにうごいています。急(きゅう)にお天気(てんき)がかわりそうでした。 「雪(ゆき)がふると出(で)られなくなるから、ちょっと、となり村(むら)まで用(よう)たしにいってくる。」と、父親(ちちおや)は、身(み)じたくをしながら、い

文字遣い

新字新仮名

初出

「幼年クラブ」1948(昭和23)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日