よるのしんぐんらっぱ
夜の進軍らっぱ

冒頭文

山(やま)の中(なか)の村(むら)です。雪(ゆき)の深(ふか)く積(つ)もったときは、郵便(ゆうびん)もなかなかこられないようなところでした。父親(ちちおや)一人(ひとり)、息子(むすこ)一人(ひとり)のさびしい暮(く)らしをしていましたが、息子(むすこ)は、戦争(せんそう)がはじまると召集(しょうしゅう)されて、遠(とお)く戦地(せんち)へ出征(しゅっせい)してお国(くに)のために働(はたら)い

文字遣い

新字新仮名

初出

「台湾日日新報 夕刊」1939(昭和14)年3月1日、2日

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日