よのなかのために
世の中のために

冒頭文

毎日(まいにち)雨(あめ)が降(ふ)りつづくと、いつになったら、晴(は)れるだろうと、もどかしく思(おも)うことがあります。そして、もうけっして、この雨(あめ)はやまずに、いつまでもいつまでも降(ふ)るにちがいないと、一人(ひとり)できめて、曇(くも)った空(そら)を見(み)ながら、腹立(はらだ)たしく感(かん)じ、あの空(そら)へ向(む)かって、大砲(たいほう)でも打(う)ってみたらと空想(くう

文字遣い

新字新仮名

初出

「少国民の友」1947(昭和22)年4月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日