ゆきぎえちかく
雪消え近く

冒頭文

早(はや)く雪(ゆき)が消(き)えて、かわいた土(つち)の上(うえ)で遊(あそ)びたくなりました。雪(ゆき)の下(した)にかくれている土(つち)の色(いろ)がなつかしいのであります。吉郎(よしお)は、自分(じぶん)の家(いえ)の前(まえ)だけでも早(はや)く雪(ゆき)をなくそうと思(おも)いました。それで朝(あさ)から外(そと)に出(で)て木鋤(こすき)で、雪(ゆき)をわってはそれを力(ちから)い

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学四年生」1939(昭和14)年3月号

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日