やまへかえったやまがら
山へ帰ったやまがら

冒頭文

英(ひで)ちゃんの飼(か)っているやまがらは、それは、よく馴(な)れて、かごから出(で)ると指先(ゆびさき)にとまったり、頭(あたま)の上(うえ)にとまったり、また、耳(みみ)にとまったりするので、みんなからかわいがられていました。 はじめのうちは、外(そと)へ飛(と)び出(だ)すと、もうかごへはもどってこないものと思(おも)って、障子(しょうじ)を閉(し)めて、へやの中(なか)で遊(あそ)ば

文字遣い

新字新仮名

初出

「愛育 7巻1号」1941(昭和16)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 13
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年11月10日