まちはずれのあきち
町はずれの空き地

冒頭文

空(あ)き地(ち)には、草(くさ)がしげっていましたが、いまはもう黄色(きいろ)くなって、ちょうど柔(やわ)らかな敷物(しきもの)のように地面(じめん)に倒(たお)れていました。霜(しも)の降(ふ)った朝(あさ)は、かえって日(ひ)が上(のぼ)ると暖(あたた)かになるので、この付近(ふきん)に住(す)む子供(こども)たちは、ここへ集(あつ)まってきて、たこをあげるものもあれば、ボールを投(な)げて

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育行童話研究」1937(昭和12)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日