ぼくはこれからだ |
| 僕はこれからだ |
冒頭文
村(むら)からすこし離(はな)れた、山(やま)のふもとに達吉(たつきち)の家(いえ)はありました。彼(かれ)は学校(がっこう)の帰(かえ)りに、さびしい路(みち)をひとりで、ひらひら飛(と)ぶ白(しろ)いこちょうを追(お)いかけたり、また、田(た)のあぜで鳴(な)くかえるに小石(こいし)を投(な)げつけたりして、道草(みちくさ)をとっていたこともあります。そして、裏(うら)の松林(まつばやし)にせ
文字遣い
新字新仮名
初出
「新児童文化 第3冊」1941(昭和16)年7月
底本
- 定本小川未明童話全集 13
- 講談社
- 1977(昭和52)年11月10日