ひとをたのまず
ひとをたのまず

冒頭文

ある日(ひ)、私(わたし)は偶然(ぐうぜん)、前(まえ)を歩(ある)いていく三人(にん)の子供(こども)を、観察(かんさつ)することができました。 甲(こう)は背(せ)が高(たか)く、乙(おつ)は色(いろ)が黒(くろ)く、丙(へい)はやせていました。そして、バケツを下(さ)げるもの、ほうきを持(も)つもの、そのようすはどこかへそうじをしに、いくように見(み)えました。 その日(ひ)、彼(か

文字遣い

新字新仮名

初出

「少年少女ペン」1949(昭和24)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日