はととりんご
はととりんご

冒頭文

二人(ふたり)の少年(しょうねん)が、竹刀(しない)をこわきに抱(かか)えて、話(はな)しながら歩(ある)いてきました。 「新(しん)ちゃん、僕(ぼく)は、お小手(こて)がうまいのだぜ。」「ふうん、僕(ぼく)は、お胴(どう)だよ。」「お面(めん)は、なかなかはいらないね。」「どうしても、背(せ)の高(たか)いものがとくさ。正(しょう)ちゃん、いつか仕合(しあい)してみない。」 新吉(しんきち)は

文字遣い

新字新仮名

初出

「日本の子供」1940(昭和15)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日