ねずみのぼうけん
ねずみの冒険

冒頭文

一匹(ぴき)のねずみが、おとしにかかりました。夜中(よなか)ごろ天井(てんじょう)から降(お)りて、勝手(かって)もとへ食(た)べ物(もの)をあさりにいく途中(とちゅう)、戸(と)だなのそばに置(お)かれた、おとしにかかったのです。空腹(くうふく)のねずみは、あぶらげの香(こう)ばしいにおいをかいで、我慢(がまん)がしきれなかったものでした。ねずみは、そのせまい金網(かなあみ)の中(なか)で、夜(

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学四年生 17巻12号」1940(昭和15)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日