にひゃくとおか
二百十日

冒頭文

空(そら)高(たか)く羽虫(はむし)を追(お)いかけていたやんまが、すういと降(お)りたとたんに、大(おお)きなくもの巣(す)にかかってしまいました。しまったといわぬばかりに、羽(はね)をばたばたして逃(に)げようとしたけれど、どうすることもできませんでした。 縁先(えんさき)で、新聞(しんぶん)を読(よ)んでいたおじいさんは、ふと顔(かお)を上(あ)げた拍子(ひょうし)に、これが目(め)に入

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学六年生」1939(昭和14)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日