とけいとまどのはなし
時計と窓の話

冒頭文

私(わたし)の生(う)まれる前(まえ)から、このおき時計(どけい)は、家(いえ)にあったので、それだけ、親(した)しみぶかい感(かん)がするのであります。ある日(ひ)のこと、父(ちち)が、まだ学生(がくせい)の時分(じぶん)、ゆき来(き)する町(まち)の古道具屋(ふるどうぐや)に、この時計(とけい)が、かざってあったのを見(み)つけて、いい時計(とけい)と思(おも)い、ほしくてたまらず、とうとう買

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学五年生 4巻6号」1951(昭和26)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日