とうげのちゃや
とうげの茶屋

冒頭文

とうげの、中(なか)ほどに、一けんの茶屋(ちゃや)がありました。町(まち)の方(ほう)からきて、あちらの村(むら)へいくものや、またあちらの村(むら)から、とうげを越(こ)して、町(まち)の方(ほう)へ出(で)ていくものは、この茶屋(ちゃや)で休(やす)んだのであります。 ここには、ただひとり、おじいさんが住(す)んでいました。男(おとこ)ながら、きれいにそうじをして、よく客(きゃく)をもてな

文字遣い

新字新仮名

初出

「新児童文化 第2冊」1947(昭和22)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 13
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年11月10日