ちいさなねじ
小さなねじ

冒頭文

おじいさんは、朝(あさ)起(お)きると、火鉢(ひばち)に当(あ)たりながら、もうそのころ配達(はいたつ)されている新聞(しんぶん)をごらんになっています。これは、毎朝(まいあさ)のことでありました。 今日(きょう)も、早(はや)く起(お)きて火鉢(ひばち)の前(まえ)にすわっていられました。外(そと)ではうぐいすの声(こえ)がしていました。 「だいぶ春(はる)らしくなったな。この分(ぶん)で

文字遣い

新字新仮名

初出

「台湾日日新報 夕刊」1941(昭和16)年6月6日、7日

底本

  • 定本小川未明童話全集 13
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年11月10日