だまされたむすめとちょうのはなし
だまされた娘とちょうの話

冒頭文

弟妹(ていまい)の多(おお)い、貧(まず)しい家(いえ)に育(そだ)ったお竹(たけ)は、大(おお)きくなると、よそに出(で)て働(はたら)かなければなりませんでした。 日(ひ)ごろ、親(した)しくした、近所(きんじょ)のおじいさんは、かの女(じょ)に向(む)かって、 「おまえさんは、やさしいし、正直(しょうじき)であるし、それに、子供(こども)が好(す)きだから、どこへいってもかわいがられる

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学六年生 4巻2号」1951(昭和26)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日