たくじしょのあるむら |
| 托児所のある村 |
冒頭文
村(むら)は静(しず)かでありました。 広々(ひろびろ)とした、托児所(たくじしょ)の庭(にわ)にだけ、わらい声(ごえ)がおこったり、子供(こども)たちのあそびたわむれるさけび声(ごえ)がして、なんとなく、にぎやかでありました。 よく晴(は)れた、青(あお)い青(あお)い大空(おおぞら)には、ぽかりと、一つ白(しろ)い雲(くも)が、浮(う)かんでいました。雲(くも)も、下(した)のこのよう
文字遣い
新字新仮名
初出
「文学教育 第1集」1951(昭和26)年10月
底本
- 定本小川未明童話全集 14
- 講談社
- 1977(昭和52)年12月10日