そらにわくきんいろのくも
空にわく金色の雲

冒頭文

道(みち)であった、顔見知(かおみし)りの人(ひと)は、みすぼらしい正吉(しょうきち)の母(はは)にむかって、 「よく、女手(おんなで)ひとつで、むすこさんを、これまでになさった。」と、いって、うしろについてくる正吉(しょうきち)を見(み)ながら、正吉(しょうきち)の母(はは)をほめるのでした。 しかし、心(こころ)から感心(かんしん)するように見(み)せても、じつは母子(おやこ)のしがない暮(

文字遣い

新字新仮名

初出

「こどものせかい」1953(昭和28)年6月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日