せんそうはぼくをおとなにした |
| 戦争はぼくをおとなにした |
冒頭文
まだ、ひる前(まえ)で、あまり人通(ひとどお)りのない時分(じぶん)でした。道(みち)の片(かた)がわに一軒(けん)の染(そ)め物(もの)店(てん)がありました。表(おもて)へ面(めん)した、ガラスのはまった飾(かざ)り窓(まど)には、若(わか)い女(おんな)の人(ひと)がきるような、はでな反物(たんもの)がかかっていました。それだけでも、通(とお)る人々(ひとびと)の足(あし)をとめて、目(め)
文字遣い
新字新仮名
初出
「童話」1947(昭和22)年2、3月合併号
底本
- 定本小川未明童話全集 13
- 講談社
- 1977(昭和52)年11月10日