しらかばのき
しらかばの木

冒頭文

さびしいいなかながら、駅(えき)の付近(ふきん)は町(まち)らしくなっていました。たばこを売(う)る店(みせ)があり、金物(かなもの)をならべた店(みせ)があり、また青物(あおもの)や、荒物(あらもの)などを売(う)る店(みせ)などが、ぼつり、ぼつりと見(み)られました。そして、駅前(えきまえ)から、あちらの山(やま)のふもとの村々(むらむら)へいく、馬車(ばしゃ)がとまっていました。いぜんには、

文字遣い

新字新仮名

初出

「少国民の友」1943(昭和18)年6月号

底本

  • 定本小川未明童話全集 13
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年11月10日