しいたげられたてんさい |
| しいたげられた天才 |
冒頭文
獣(けもの)の牙(きば)をならべるように、遠(とお)く国境(こっきょう)の方(ほう)から光(ひか)った高(たか)い山脈(さんみゃく)が、だんだんと低(ひく)くなって、しまいに長(なが)いすそを海(うみ)の中(なか)へ、没(ぼっ)していました。ここは、山間(さんかん)の、停車場(ていしゃじょう)に近(ちか)い、町(まち)の形(かたち)をした、小(ちい)さな村(むら)でありました。 その一軒(けん
文字遣い
新字新仮名
初出
「白象 第1冊」1949(昭和24)年11月
底本
- 定本小川未明童話全集 14
- 講談社
- 1977(昭和52)年12月10日