さんにんと ふたつの りんご
三人と 二つの りんご

冒頭文

「かずおちゃん、どうして なみだを だしたんだい?」 と、たろうさんが ききました。 「よしおさんと しげおさんが ひっぱったんだよ。」 「なんにも しないのに?」 と、きみ子(こ)さんが いいました。 「あそびに こいと いって、りょうほうから ぼくを ひっぱったのだ。」 「なあんだ、かずおちゃんが、いなかへ いって きて、めずらしいからだ。」 「いなかの おじいさんも いいけれど

文字遣い

新字新仮名

初出

「セウガク一年生」1939(昭和14)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 16
  • 講談社
  • 1978(昭和53)年2月10日