さかだちこぞうさん
さか立ち小僧さん

冒頭文

こい紫(むらさき)の、ちょうどなす色(いろ)をした海(うみ)の上(うえ)を、赤(あか)い帯(おび)をたらし、髪(かみ)の毛(け)をふりみだしながら、気(き)のくるった女(おんな)が駈(か)けていくような、夏(なつ)の雲(くも)を、こちらへきてからは、見(み)られなくなったけれど、そのかわり、もっとやさしい女神(めがみ)が、もも色(いろ)の長(なが)いたもとをうちふり、うちふり、子(こ)どもたちとい

文字遣い

新字新仮名

初出

「少年朝日 別冊冬の読み物集」1949(昭和24)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日