こころのめ
心の芽

冒頭文

ある日(ひ)、どこからか、きれいな鳥(とり)が飛(と)んできて、木(き)にとまりました。腹(はら)のあたりは黄色(きいろ)く、頭(あたま)が紅(あか)く、長(なが)い尾(お)がありました。野鳥(やちょう)のように、すばしこくなく、人間(にんげん)になれているらしく見(み)えるのは、たぶん飼(か)われていたのが、かごを逃(に)げ出(だ)したのかもしれません。 みんなが、大騒(おおさわ)ぎをしまし

文字遣い

新字新仮名

初出

「少国民の友 22巻11号」1946(昭和21)年2月

底本

  • 定本小川未明童話全集 13
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年11月10日