くものわくころ |
| 雲のわくころ |
冒頭文
冬(ふゆ)のさむい間(あいだ)は、霜(しも)よけをしてやったり、また、日(ひ)のよくあたるところへ、鉢(はち)を出(だ)してやったりして、早(はや)く芽(め)が頭(あたま)をだすのを、まちどおしく思(おも)ったのであります。 勇吉(ゆうきち)は、草花(くさばな)を愛(あい)していました。 しかし、いくら気(き)をもんでも、その気候(きこう)とならなければ、なかなか、芽(め)を出(だ)し、咲
文字遣い
新字新仮名
初出
「小学六年生 5巻6号」1952(昭和27)年9月
底本
- 定本小川未明童話全集 14
- 講談社
- 1977(昭和52)年12月10日