くびわの ない いぬ
くびわの ない いぬ

冒頭文

ふたりの 子(こ)どもが、いえの そとに たって いました。「どこの いぬだろうね。」と、二郎(じろう)くんが、ちゃいろの いぬを みて いいました。「しらないけれど、いい いぬだね。」と、たけおくんは いって、口(くち)ぶえを ふきました。すると、いぬは、おとなしく そばへよって きました。ふたりは、かわるがわる いぬの あたまを なでて やりました。すなおな せいしつと みえ、からだつきも の

文字遣い

新字新仮名

初出

「幼年クラブ」1952(昭和27)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 16
  • 講談社
  • 1978(昭和53)年2月10日