おつきさまと ぞう
お月さまと ぞう

冒頭文

正(しょう)ちゃんと よし子(こ)さんが、ごもんの ところへ たらいを だして、水(みず)を いれると、まんまるな 月(つき)の かおが うつって、にこにこと わらいました。 「さあ、わたしを よく みて ください。」 と、月(つき)が いいました。 「大(おお)きな お月(つき)さまね。」 と、よし子(こ)さんが よろこびました。 「あの くろいのが うさぎかしらん。」 と、正(しょ

文字遣い

新字新仮名

初出

「コドモノヒカリ」1937(昭和12)年10月

底本

  • 定本小川未明童話全集 16
  • 講談社
  • 1978(昭和53)年2月10日