かんがえこじき
考えこじき

冒頭文

人(ひと)というものは、一つのことをじっと考(かんが)えていると、ほかのことはわすれるものだし、また、どんな場合(ばあい)でも、考(かんが)えることの自由(じゆう)を、もつものです。 ある日(ひ)、清吉(せいきち)は、おじさんと町(まち)へ、いっしょにいきました。そして、おじさんが用(よう)たしをしている、しばらくの間(あいだ)、ひとり、そのあたりをさんぽして待(ま)つことにしました。一けんの

文字遣い

新字新仮名

初出

「子供の広場」1946(昭和21)年7、8月合併号

底本

  • 定本小川未明童話全集 13
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年11月10日