おねえちゃんといわれて
お姉ちゃんといわれて

冒頭文

光子(みつこ)さんが、学校(がっこう)へいこうとすると、近所(きんじょ)のおばあさんが、赤(あか)ちゃんをおぶって、日(ひ)の当(あ)たる道(みち)の上(うえ)に立(た)っていました。 「お姉(ねえ)ちゃん、いまいらっしゃるの。」と、おばあさんは、声(こえ)をかけました。 光子(みつこ)さんは、にっこりとしたが、そのまま下(した)を向(む)いて、だまっていってしまいました。 「わたし、お姉(ね

文字遣い

新字新仮名

初出

「博愛 737号」1951(昭和26)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 14
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年12月10日