うみへかえるおじさん
海へ帰るおじさん

冒頭文

赤(あか)いボールを沖(おき)に向(む)かって投(な)げると、そのまりは、白(しろ)い波(なみ)の間(あいだ)にもまれて、浮(う)きつ沈(しず)みつしていましたが、そのうちに、ざあっと押(お)し寄(よ)せる波(なみ)に送(おく)られて、また武(たけ)ちゃんや、ゆう子(こ)さんのいる渚(なぎさ)にもどってきました。 「おじさんの舟(ふね)が、見(み)えないかしらん。」「また、たくさんお魚(さかな)

文字遣い

新字新仮名

初出

「せうがく三年生」1938(昭和13)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 12
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年10月10日