いきぬくちから |
| 生きぬく力 |
冒頭文
「孝二(こうじ)、おまえでないか。」「僕(ぼく)、そんなところへさわりませんよ。」 玉石(たまいし)の頭(あたま)から、すべり落(お)ちた青竹(あおだけ)を、口(くち)をゆがめながらもとへ直(なお)して、おじいさんは、四(よ)つ目垣(めがき)の前(まえ)に立(た)っていました。いたずら子(こ)がきて、抜(ぬ)こうとするのだと思(おも)ったのです。竹馬(たけうま)にするには、ちょうど手(て)ごろの竹
文字遣い
新字新仮名
初出
「新児童文化 第1冊」1940(昭和15)年12月
底本
- 定本小川未明童話全集 13
- 講談社
- 1977(昭和52)年11月10日