あおばのした |
| 青葉の下 |
冒頭文
峠(とうげ)の上(うえ)に、大(おお)きな桜(さくら)の木(き)がありました。春(はる)になると花(はな)がさいて、とおくから見(み)るとかすみのかかったようです。その下(した)に、小(ちい)さなかけ茶屋(ぢゃや)があって、人(ひと)のいいおばあさんが、ひとり店先(みせさき)にすわって、わらじや、お菓子(かし)や、みかんなどを売(う)っていました。 荷(に)を負(お)って、峠(とうげ)を越(こ
文字遣い
新字新仮名
初出
「せうがく三年生」1938(昭和13)年5月
底本
- 定本小川未明童話全集 12
- 講談社
- 1977(昭和52)年10月10日