ねむい
ねむい

冒頭文

夜ふけ。十三になる子守り娘のワーリカが、赤んぼの臥(ね)ている揺りかごを揺すぶりながら、やっと聞こえるほどの声で、つぶやいている。—— ねんねんよう おころりよ、 唄をうたってあげましょう。…… 聖像の前に、みどり色の燈明がともっている。部屋の隅から隅へかけて、細引が一本わたしてあって、それにお襁褓(むつ)や、大きな黒ズボンが吊るしてある。燈明から、みどり色の大きな光の輪

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • カシタンカ・ねむい 他七篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2008(平成20)年5月16日