ぼうや
坊や

冒頭文

山に清水が流れるやうにその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝を山に清水が流れるやうに何も解せぬ僕の赤子(ぼーや)は今夜もこんなに寒い真夜中硬い粘土の小さな溝を流れる清水のやうに泣く母親とては眠いので目が覚めたとて構ひはせぬ赤子(ぼーや)は硬い粘土の溝を流れる清水のやうに泣くその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝をさらさらさらと流れるやうに清水のやうに寒い真夜中赤子(ぼーや)は泣くよ (一九三五

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 中原中也詩集
  • 角川文庫、角川書店
  • 1968(昭和43)年12月10日改版