なつのよのはくらんかいは、かなしからずや
夏の夜の博覧会は、かなしからずや

冒頭文

1 夏の夜の博覧会は、哀しからずや 雨ちよと降りて、やがてもあがりぬ 夏の夜の、博覧会は、哀しからずや 女房買物をなす間、かなしからずや 象の前に僕と坊やとはゐぬ、 二人蹲(しやが)んでゐぬ、かなしからずや、やがて女房きぬ 三人博覧会を出でぬかなしからずや 不忍(しのばず)ノ池の前に立ちぬ、坊や眺めてありぬ そは坊やの見し、水の中にて最も大なるものなりき、かなしからずや、

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 中原中也詩集
  • 角川文庫、角川書店
  • 1968(昭和43)年12月10日改版