さむいよのじがぞう
寒い夜の自我像

冒頭文

2 恋人よ、その哀(かな)しげな歌をやめてよ、おまへの魂がいらいらするので、そんな歌をうたひだすのだ。しかもおまへはわがままに親しい人だと歌つてきかせる。ああ、それは不可(いけ)ないことだ!降りくる悲しみを少しもうけとめないで、安易で架空な有頂天を幸福と感じ做(な)し自分を売る店を探して走り廻るとは、なんと悲しく悲しいことだ…… 3 神よ私をお憐み下さい! 私は弱いので、 悲しみに出遇(であ)

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 中原中也詩集
  • 角川文庫、角川書店
  • 1968(昭和43)年12月10日改版