くもったあき
曇つた秋

冒頭文

1 或る日君は僕を見て嗤(わら)ふだらう、 あんまり蒼い顔してゐるとて、 十一月の風に吹かれてゐる、無花果(いちじく)の葉かなんかのやうだ、 棄(す)てられた犬のやうだとて。 まことにそれはそのやうであり、 犬よりもみじめであるかも知れぬのであり 僕自身時折はそのやうに思つて 僕自身悲しんだことかも知れない それなのに君はまた思ひ出すだらう 僕のゐない時、僕のもう地上にゐな

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 中原中也詩集
  • 角川文庫、角川書店
  • 1968(昭和43)年12月10日改版