よるのあかさか
夜の赤坂

冒頭文

東京の夜の有様を話して呉れとの諸君(みなさん)のお望、可(よろ)しい、話しましよう、然し僕は重に赤坂区に住んで居たから、赤坂区だけの、実地に見た処を話すことに致します。 先づ第一に叔母様(をばさん)などは東京を如何(どんな)にか賑かな処と思つて、そろ〳〵と自分の眼で自分の景色を形(つく)つて居なさるだらうが、実地見ると必定(きつと)その想像の違つて居たことに驚かれるだらうと思ふ。京にも田

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本随筆紀行第七巻 東京(下)
  • 作品社
  • 1986(昭和61)年12月10日