ごりがん
ごりがん

冒頭文

一 先づごりがんといふ方言の説明からしなければならない。言葉の説明は、外國語でも日本語でも、まことに難儀なことで、其の言葉自身より外に、完全な説明はないのだ。言葉をもつて言葉を説明するといふほど愚かなことはない。言葉を説明するものは、言葉の發する音による以心傳心で、他のいろ〳〵の言葉を幾つ並べたとて、其の言葉を底の底まで透き通るほどに説明し得るものでない。しかし人間といふものがかうやつて

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鱧の皮
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1952(昭和27)年11月5日