りょうざのさんもんひょう
両座の「山門」評

冒頭文

都座(明治二十九年二月) 一番目「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」は五幕に分る。宋蘇卿明(そうそけいみん)の真宗(しんそう)の命に因(よ)り此村大炊之助(このむらおおいのすけ)と名乗り、奴矢田平(やだへい)と共に真柴久次(ましばひさつぐ)に仕へ、不軌(ふき)を謀りしが、事顕(あらわ)れて自尽(じじん)す。その最期に血書したる片袖を画中より脱け出でたる白鷹齎(もたら)し来てその子石川五

文字遣い

新字旧仮名

初出

「めさまし草 巻三」1896(明治29)年3月

底本

  • 観劇偶評
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2004(平成16)年6月16日