ゆきおんな(に)
雪をんな(二)

冒頭文

—— その時からまた、又の七年目が𢌞り來ようとしてゐる。私には最早、歸るべき家も妻も子もないのである。さうして私は尚この上に永久に、この寒い雪の多い北國の島國を、當もなく涯から涯へと彷徨ひ歩かねばならぬのであつた。…… —— その最初の結婚とは二十年經つてゐる。前に引いた文章にもあるやうに、この前の「雪をんな」は十九で結婚しての七年目だから二十七の歳だつたらしい。その時分から私の生活

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「新潮 第四十二卷第六號」1925(大正14)年6月1日

底本

  • 葛西善藏全集 第二卷
  • 津輕書房
  • 1975(昭和50)年3月20日