——作者自画—— 一 市長就任演説 「偉大なる大大阪の市民諸君、私はこのたびこの大大阪の市長として席を汚すことになりました。私はそれを光栄に思い、また不名誉にも思うております」 賀川豊彦が、大阪市長になったという号外が大阪百五十万の市民に配られたのは、三日前のことであった。それはまったく市民の予想外のことであり、資本家も、労働者も、官憲も、誰もそれを知らなかった。ただ一人賀川豊彦のみが知ってい