かぜふきどり
風ふき鳥

冒頭文

風(かぜ)ふき鳥(どり) 飛(と)んでどこへゆく 海(うみ)は暴(あ)れているぞ。 なんで鳴(な)く かあかあ 山(やま)も暴(あ)れているぞ。 あんなに高(たか)く あんなに低(ひく)く 後(あと)になり、先(さき)になり。 みんなから、きらわれて 鳴(な)き鳴(な)き 飛(と)んでゆく。 黒(くろ)い衣(べべ)を着(き)かえて こい。 金(きん)の帯(おび)をしめて

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」文光堂、1919(大正8)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日