にじのうた
にじの歌

冒頭文

こちらの森(もり)から あちらの丘(おか)へ にじが橋(はし)をかけた。 だれが、その橋(はし) 渡(わた)る。 からすが三羽(ば)に 乞食(こじき)が一人(ひとり)。 乞食(こじき)はつえついて上(あ)がったが からすは、あわてておっこちた。 落(お)ちたからすはどこへいった。 夕焼(ゆうや)けの空(そら)へ。 上(あ)がった乞食(こじき)はどこへいった。 お星(ほし)さ

文字遣い

新字新仮名

初出

「おとぎの世界」1919(大正8)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日